常時けいれんしている、まぶしい、眼が乾くなどの症状が揃っているのであれば、頭部検査または治療の適応を確認した方がよいと思います。
眼瞼・片側顔面けいれんとは
眼や口の周りの筋肉、頬の筋肉が自分の意思とは関係なくけいれんする病気です。これまでは内服、顔面神経ブロック、手術などの治療が主におこなわれてきましたが、近年はこの病気に対する治療としてボツリヌス毒素治療が広くおこなわれております。
ボツリヌス毒素とは
ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素製剤のことで、局所的な神経筋伝達阻害作用により筋肉を弛緩させる作用を有しています。その作用を臨床応用して1996年に承認された薬で、局所に注射するという比較的簡単な手技を用います。効果は安定的で注射後数日でけいれんが改善します。
眼瞼けいれん
まぶたを開け閉めする筋肉が自分の意思に関係なく力が入る病気です。中高年に好発し、比較的症状の進行はゆっくりしています。症状としてはまぶしい、パチパチするなどから始まり、ドライアイなども併発します。症状が悪化すると眼が開けられなくなることがあります。治療としてはボツリヌス毒素を眼のまわりの数箇所に注射いたします。
適応について
眼瞼が一時的に軽くピクピクする症状は眼瞼ミオキニアといって疲れ眼の症状で強くなるものでボツリヌス毒素の適応はありません。また閉筋筋力が弱い場合は治療の適応があっても注意が必要です。
治療について
初診の場合診察にて治療の適応を判断します。そこでMRI検査の必要性を考慮いたします。治療の説明後ボツリヌス毒素使用の患者登録、承諾書をいただきます。その後ボツリヌス毒素治療する日程を決定します。治療当日は血圧など体調を確認したのち、閉瞼筋力を確認し最終的に投与(注射)するボツリヌス毒素の量、場所を決定します。治療にかかる時間は5分程度で、治療終了後安全確認のためしばらく残っていただきますが、眼帯などは不要でそのまま帰宅できます。
